「君たちに明日はない」シリーズを読みました
みなさんこんにちは。 まじめです。
今回は垣根涼介さんの「君たちに明日はない」シリーズを読んだ感想になります。
「君たちは明日はない」はリストラをテーマにした小説で全部で5巻あります。
主人公はリストラ事業の会社で働いている村上という男性です。
人を退職に追い込む主人公と退職を促される様々な会社の人々、両方の視点を描いています。
このシリーズを読んだのは2回目です。学生時代に読んだことがあったのですが、まだ働いていなかったのであまり心に残りませんでした。
もう一度読んでみようと思ったのは、自分が解雇通知を受けたからです。
「同じ境遇にある「今」読めばまた違った面白さを味わえるのではないか」と思いました。
読んでみて早期退職を促され、悩み苦しんで前向きな登場人物たちに励まされたのはもちろんですが作中の
「人間、もう必要とされなくなった場所に居てはいけないんだよ。だったら、そんな場所はとっとと捨てて、新たに必要とされる場所を探したほうがいい」という言葉が心にしみました。
「いつまでも過去にこだわったって未来はないな」とほんの少し前向きになれました。
この言葉を貰えただけでも読み直してよかったなと思いました。
ここからは自分なりの感想を少し書いていきます。
このシリーズ1巻と5巻ではまるで顔が違うように感じました。個人的には4巻当たりから「少し変わってきたな」と感じました。もちろん主人公もリストラをテーマにしていることなどは変化ありません。
1巻では主人公に「本能のまま、自分の赴くまま」という印象を受けましたが、シリーズを追うごとに主人公の雰囲気も変わり、考えることも丸くなったり複雑になっていったように思えました。
意図的に主人公に年を取らせたのか、作家さん本人が年齢を重ねたからなのかは分かりませんがすごい技術だと思いました。
一生懸命働いている人に刺さる小説だと思います。
ぜひ読んでみてください。